2010年11月7日日曜日

KOF2010:関西オープンソース2010

 昨日関西オープンソース2010に行ってきました。Gadget1も同時開催されていて、組み込み系の展示もありましたが、セミナーはWeb系のほうが盛況な印象でした。
 しかしながら、坂井弘亮さんの講演『組込みOSを作ってみよう!』は組み込みを知らない人にでも
「いっちょやってみようか」
 と思わせる(そもそもプロジェクト自体が、そう思わせることを目的とされているそうですが)、いい内容でした。
 著書12ステップで作る組込みOS自作入門の紹介もありましたが、その中で感心したのは(坂井さん自身が強調しておられましたが)、ブートローダの作り方から解説しているということです。

 最近のフィジカルコンピューティングの流行には目を瞠るものがあります。それは、安価なマイコンキットと、あらかじめ用意されたペリフェラルのドライバ類、書き込み済みのブートローダなどに支えられており、「キットを買ってきて、自分のやりたいロジック部分だけをチャッチャとプログラミングして、USB(やシリアル)で転送したら動く」環境に支えられていることは間違いありません。

 各種センサで取得した外部環境の情報をtwitterでつぶやく機器、なんてものをいとも簡単に作れてしまう。たいへんよいことだと思います。

 しかしながら、それらの環境は、(スケッチという単語が示唆しているように)やりたいことが「すばやく」できることを目的としているので、多くの部分をブラックボックスとして扱っています。

 趣味・嗜好は人それぞれですが、その「ブラックボックス」の理解に足を踏み入れようとしたとき、やはりつまづきやすいのは、「どうやってプログラムが動き出すか」という点であり、そのためにはブートローダーの理解が避けられません。

 普段、存在することも意識しない(キットの解説書には、ブートローダーがxxバイト食っていますと書いていますが、そのとき目にして後は忘れてしまうことも多いでしょう)、しなくてよいブートローダー。その部分をきっちり書かれているというのは大変好感が持てます。

0 件のコメント:

コメントを投稿